クルーズレポート
  
個人主義的レポート
Silver Cloud
シルバークラウド (シルバーシー)
バルセロナ〜セッテ〜マルセイユ〜サントロぺ〜カルビ〜モナコ
2012年5月
 
 
バルセロナ

今、世界中には300隻以上のクルーズ船が存在する。大きさやグレードは様々である。得てして大衆的なカジュアル船ほど大きく、高級船ほど小型である。今回乗船したシルバークラウドは、ラグジュアリークラスに分類される最高峰のクルーズ船。17000トンで船客定員は約280名。

ラグジュアリークラスのひとつの定義にオールインクルーシブというものがある。簡単に言えばクルーズ代金にすべてが含まれている、ということである。例えば外国船の習慣であるチップはもちろんのこと、

ダイニングでのお食事中やバーでいただくお酒はすべて無料。だから注文する都度サインする必要がない。クルーズ代金は少々高いが、逆に乗ってしまうとあまりお金がかからないのである。

この船のキャビンは、全室スイート仕様。標準的なタイプでも約30uの広さを誇る。奥行きがとても広く、リビングとベッドルームが分かれ、ウォークインクローゼットも完備。

ラグジュアリー船はどこがいいのか? 自身シルバーシーの船旅は4回目だが、まず最高峰の船に乗っているだけで気分がとてもいい。今、自分は最高峰の船に乗っていると思うと、なぜかゆったりと身を委ねることが出来る。毎日最高のサービスと美食を堪能できる、それで十分だ。

5月の西地中海、まだ本格的なバカンスシーズンには少し早く、逆に寄港地はやや落ち着きがあり散策もしやすい。バルセロナから出港したシルバークラウドはまずフランスのセッテ、マルセイユを回った。

 
セッテ

2日目の夜、シアターでキャプテン主催のウェルカムパーティーが催された。イタリア人キャプテンのマルコ氏がユーモアたっぷりにクルーを紹介してゆく。その中でもひときわウケたのは、「えー、ファイナンス担当(パーサーのこと)の○○、ギリシャ人です」には会場大爆笑。この意味わかります?

パーティーからディナーへ流れる。今夜は、前菜にシュリンプカクテルとフロッグレッグ(カエル)の2種類、メインにロブスターを注文、レモンバターソースとの相性も抜群だった。ディナーをサーブするウェイターは、以前はリージェントセブンシーズで働いてたとのこと。高級船を渡り歩いた彼らしく、スマートなサービスだ。

 
マルセイユ

3日目の朝、マルセイユに入港。ここからはアヴィニヨンの観光に出かけた。バスに乗ることおおよそ1時間半で、アヴィニヨン近郊のワイナリーへ到着。なんとそこは、私自身あまりワインに見識がないながらも気に入ってよく飲んでいるコートデュローヌのワイナリーであった。赤・白・ロゼを試飲してみる。何かが日本で飲むのと違う。ぶどうが若いのだ。そして思ったよりフルーティー。たしかにここはやや温暖な地だから、果肉たっぷりで皮が薄めのぶどうが育つ。

次にバスは、アヴィニヨン橋の近くに停車した。穏やかなローヌ川の流れ、幾度も自然の力で破壊されては修復を繰り返し、ついには修復をあきらめ、今は川の半分ぐらいまでしか残っていない橋。それもまた絵になる。ランチは、アヴィニヨンの城壁の中にある小さなホテル、ミランドでいただいた。ルレエシャトーに加盟する素晴らしいホテルで中庭のテラスに清清しい風が通る。アスパラガスの鮮やかな緑色のスープから始まる素晴らしいランチとコートデュローヌの赤をいただいた。いい船は寄港地観光の質も高いのだ。

 
サントロぺ

4日目の朝、シルバークラウドはサントロペの沖合いに錨を下ろした。南仏でも有数のリゾート地、古くから著名人も多数訪れている。少し街を歩くだけで、この地のクラスを誰しもが感じるだろう。

私は、シルバーシーの船に乗るとひとつの悩みがある。それはどんなに素晴らしい寄港地に連れて行ってくれようとも、根っからの船好きとしてはせっかくいい船に乗っているので、少しでもこの船に留まっていたいのだ。朝食はビュッフェのテラス席で。その後はプールサイドで日光浴。5月といえども、かなり日差しは強く、30分程度で日焼けする。昼はそのままプールサイドのグリルでチーズバーガーと生ビールを注文。たかがハンバーガー、されどハンバーガー。この船ではハンバーガーの焼き加減まで聞いてくれる。「ミディアムレアー」と注文すると、肉汁あふれる贅沢な一品が出てくる。

午後はテンダーボートでサントロペへ上陸。少し街を歩いてみた。店はこれから始まるバカンスシーズンに向けて、商品を綺麗に店頭に並べる。商店の中には地元の人のための花屋、八百屋も混在している。さらに歩を進めるとクリスチャンディオールのホテルが現れる。少し歩いているだけで、ここがただの田舎町ではないことが感じ取れる。

 夕方のテンダーで船に戻り、7時からはシルバーシー社のリピータークラブ、ベネチアンソサエティのパーティーへと出かけた。今回の乗船客、100泊を超えている人がざらにいる。最高は600泊。最高のサービスに満足しているので、船を替える必要がないのだ。

今宵のディナーは、フォアグラのテリーヌ、トマト&モッツァレラ、マヒマヒのグリルを注文。フォアグラはテリーヌながらとろけるほどのやわらかさ、そしてフレッシュ。マヒマヒは熱々の皿で出てきた。

家人がデザートを少し残す。ウェイターがすぐに気にかけ、「何か他のものを注文なさいますか?」と言葉をかけてくれる。それはこのサイズの船だからこその気配りだ。

 
カルビ(コルシカ島)

部屋にはいつも冷えたシャンパンのボトルが補充される。この船のテレビでヴィヴァルディの四季

BGMの環境ビデオを流しているチャンネルがある。いつもそれを聴きながら一杯やる。やがて睡魔がやってきて、ふかふかのベッド潜り込む。こんなに部屋が居心地がいい船は他にはない。

 コルシカ島のカルヴィを経て、カンヌに到着。雨だった。バルセロナからずっと晴天に恵まれてきたが、やや強い日差しに疲れていたこともあり、時に雨もいい。

 朝食の終わった後、11時からパノラマラウンジでブイヨンのサービスがある。これは昔からのクルーズ船の風習、ティオペペを少し入れていただく。素朴なスープのサービスだが美味しい。

午後、カンヌの街を歩いてみた。翌週から始まる映画祭に向けて、街の準備が進められている。出展作品が上演されるコンベンションセンター前には、本番時にはレッドカーペットが敷かれる。それにしても今回のクルーズで訪れたフランスの街はどこも華がある。この辺りで船に乗っていると、とても幸せな気分になれる。

 
 
モンテカルロ(モナコ)

 7日目の朝、シルバークラウドはカンヌを出港、フレンチウォーターを東へ進み、正午にはモンテカルロの沖合いに辿り着いた。ルビープリンセスという10万トンを超える大型船がモンテカルロのクルーズターミナルに接岸している。そのためシルバークラウドはいったん沖合いに停泊、夕方ルビープリンセスの出港を待って、ターミナルへ移動、接岸する。

最後のディナーは、ル・シャンパンというこの船唯一の有料レストランへ出向いた。連日予約で満員となる。アミューズプレートに始まり、冷製オードブル、温製オードブル、スープ、メイン、デザートと皿数が多く、これでチャージは30ドル。そのクオリティもあわせてみれば日本では考えられない安さ。温性オードブルのフォアグラ、ポルチーニ茸のスープ、鹿肉のグリルが絶品、合わせるワインも素晴らしかった。さほど、お喋りが過ぎたとも、サーブが遅いとも思わないのだが、このディナー、実に3時間半を要した。ディナーの終わる頃、船はモンテカルロのターミナルに接岸、お望みならば24時間、カジノへ出向くことも出来る。

クルーズ下船日、やや肌寒く山の上は少し雲に覆われていた。モンテカルロの湾を見渡してみた。フェアモントホテルの西、湾に面した一等地に新しい低層階の建物が建設中、ちょうどフェアモントホテルに被らないように建てられている。

すべてにおいて最高のクオリティを求めるゲストのためにデザインされたシルバーシーの船旅。乗った人だけが知り得る優雅な世界。その扉は世界中のセレブリティのために開かれている。

 



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