クルーズレポート
  
個人主義的レポート
LE BOREAL
カンパニー・デュ・ポナン  
ル・ボレアル
ニース〜カンヌ映画祭〜モナコグランプリ
2010年5月
 
5/13 Nice

南フランス、コートダジュール。
真新しい船、ル・ボレアルがニースに姿を現した。
美しくシャープな外観は、ベージュグレーの船体にオレンジのライン。
スタイルもカラーリングも独創的。
ル・ボレアルのキャビン。

淡いベージュのカーペットに白いクローゼット、透過されたシャワーブース。
そして、独立したトイレ。
機能性と洗練されたデザインの融合。
最近の船は、どんどん快適に、そして贅沢になってゆく。

夕暮れのニース。
ル・ボレアルは出港の時を待つ。
絶品フレンチディナーとワインの宴が、
今夜から始まる。
23:59 ニース出港。
花火も上がり、処女航海に華を添えた。

5/14 Sant Ropez

翌朝、ル・ボレアルはサントロペに投錨。
船尾のマリーナからテンダーボートで上陸する。

それにしても美しくカッコイイ船体。
最近の船ではNO.1のスタイルではないだろうか。
のどかなサントロペの街を散策。
ヨーロッパ各地からのクルーザーやヨットが停泊。
その船上で朝食を優雅に摂るオーナー達。
日本には見慣れない文化。
ル・ボレアルは、正午前サントロペを出港、一路カンヌへ向かいます。
快晴の中、デッキで行われたビュッフェランチ。冷えたロゼ・ワインが
とても合います。
 
真新しいル・ボレアル。
カンパニー・デュ・ポナンの本社はマルセイユ。
いわばここはポナンの庭のようなもの。
 
 
5/14 Canne

午後、カンヌへ到着。すがすがしく快適なクルージングだった。
海と空のコントラストが美しく、雲の形が生き生きとしている。
船尾のフレンチフラッグが少し誇らしげ。

船客はといえば、到着したからといって我先にテンダーへ向かうでもなく、
プールサイドのカバナで寝そべっていたり、お昼寝したり。
その一方で、見事に着飾ったご年配のご婦人と、カジュアルだけど上質なシャツを着た男性が、映画祭の街へ繰り出して行く。

街からは華やぎの音が聞こえてくる。
カンヌという街全体がウキウキしている。
カンヌ映画祭。

世界中からノミネートされた最新作が上演され、それを買い付けるバイヤーとの商談の場でもある。
ビートたけしがフランスで評価されているとか、日本で聞いたが、
今年は不審だったのか、彼の映画の評判は聞こえてこなかった。

映画関係者、映画を見に来た招待客ほとんどが、フォーマルを着用。
こんなにたくさんの人がタキシード&ドレスを着ている光景を始めてみた。
そして、世界中からかき集めたのではないか、と思うほど黒塗りの高級車が皆が会場へ到着する。

日本人の知らないヨーロッパ文化の一端を見た。
実に華やか、そして贅沢。

船内を散策。

ベージュ、グレー、ホワイト、レッド。
フランスのデザイン会社がインテリアを担当している。
フローリングのような床素材を多用するなど、
あっさりとした印象を受ける。

スパは、地元フランスのカリタが出店。
ハマム(サウナ)やバルネオ(ジャグジー)など、充実した設備。


ル・ボレアルの朝食

ビュッフェスタイルで行われる。
船尾のデッキに並べられた木のテーブルとチェアに持ってゆくと
気持ちのいい朝食が食べられる。

しかし、このクルーズは処女航海。
まだスタッフのサービスがどこかぎこちない。
きっと次に乗るときは、もっとしっくりときているだろう。

5/15, 16 Monaco
F1 Monaco GP

モータースポーツの最高峰、F1。
年間19戦、世界中を転戦する。
近年、上海やドバイでも開催され、インド人のチームオーナーも出現、世相を反映している。
そこに巨額のスポンサーマネーが集まり、世界から選りすぐりのたった24人のドライバーが、モンテカルロの公道を疾走する。

16日朝の船内新聞。
15日の予選結果の速報が記載される。
今回のクルーズには、このグランプリ目当ての船客も多く、彼らは決勝のスタートが待ち遠しいようだ。

このグランプリウィーク、モナコのホテルはどこも高くて取りにくい。しかも1週間単位でしか泊まれない。
そう考えると、グランプリの週末だけ船で訪れるというのはとても合理的な手段といえよう。
チケットももちろん船で購入できる。


白を基調としたメインダイニング。
今宵のゲストの為、きれいにテーブルセッティングがなされている。

このメインダイングでは、他の船客と相席になることがないよう、十分な席数が確保されているが、新しい友人との出会い、楽しい会話を求めてディナーをご一緒される方も多い。

ディナーは社交の場。
会話を楽しみながら食事する。
これも船独特の文化。

モナコグランプリ、優勝はレッドブルのマークウェーバー。
今、絶好調の男。
ドライバーズポイントのトップに躍り出た。

ル・ボレアルは、夕刻モナコを出港。
世界中から集まった関係者をブリッジに招いてのパーティが行われた。
(キャプテンは仕事中ということでシャンパンを口にしなかったが)

モナコを出て30分後、メントンという美しい街を周遊してくれた。
そこに、同社のヨット「ル・ポナン」が美しく佇んでいた。
チャータークルーズ中らしい。
チャーターする企業などのオーガナイザーは、文字通り船のオーナーだから、彼らの望みどおり船を動かすことが出来るのだが、カンパニー・デュ・ポナンはフランスのコートダジュールやイタリアのリビエラ海岸を知り尽くしており、とても魅力的な寄港地コースを提案するという。だからオーナーは寄港地選定で頭を悩ますこともないのだ。

ヨットというスタイルの船旅。
あたかも、自身が高級プライベートヨットのオーナーであるかのような船旅。
そんな夢のような世界が現実に存在する。




今宵はキャプテン主催のガラディナー
モナコの夜にふさわしい絶品のフレンチが
ふるまわれた。

MENU

カリフラワーのムース、キャビア添え

海老のブロシェット、リゾット添え

まとう鯛のソテー、シャンパーニュソース

グリルフィレ、セプ茸のソース

スィートマンゴムース

赤・白・ロゼのワインが付くが
以下のようなお奨めもメニューに記載。

WINE
赤:コート・デュ・ボーヌ 2007
ボトル 59ユーロ
白:シャトー・グリュー・ラルース
サントエミリオン 2006
ボトル:78ユーロ

ル・ボレアルのメインラウンジ

とても心地いい空間。
自宅のリビングのようにクッションが無造作に並べられ、船客は次第に自分の居心地のいい場所を見つけてゆく。
 
南フランス・コートダジュール

翌朝、ニースでル・ボレアルを下船。
明日は長いフライトで日本へ帰る日。
せっかくの南仏をもう少し楽しむことにした。
ニースから海岸線ルートのバスに乗って東へ。
ビルフランシュというのどかな街を訪ねてみた。
4年前に14万トンの大型船で訪れたことがあるが、
あまりの人の多さ、ツアーの忙しさに疲れた印象しか残っていない。
こんなに美しい街とは知らなかった。
絵に描いたように美しく整った入り江。

ニースからバスでたった20分でこんなにものどかな街が存在する。
南仏にいるだけで、夢のような毎日が過ごせる。
そして気分がとてもいい。

今年の夏も、たくさんの人が南仏の太陽を求めてやって来るだろう。

旅を終えて

フランス船で訪れるフランス・モナコの船旅は、どっぷりとフランス色満載だった。
毎日絶品のフレンチディナーとフランス産ワインの饗宴。
訪れるは、サントロペ、カンヌ、モナコ、ニースと世界有数のリゾート地。
どこかの富裕層が訪れるイベントと思っていたカンヌ映画祭やF1モナコグランプリ。
ル・ボレアルに乗れば、そのすべてが船客の手中にあるのだ。
それは夢ではなく現実。 現実だけど、ちょっと凄すぎる現実。
カンパニー・デュ・ポナンの船旅は、静かにフランスを主張してくる。
食事、ワイン、シャンパン、アメニティなど、彼らが考えうる最高のものを集めたら、それはたまたますべてフランス産だった、
と言いたげなように。
フランス人は、遊びの達人だ。そして人生を謳歌する達人だ。
だから、楽しい人生を送りたいなら、彼らの真似をするというのもひとつの方法だと思った。
夢のような、、、を夢で終わらせるのではなく、現実のものにしてしまう。 それが人生を楽しむということ。

本来、クルーズとはこれほどまでに優雅な世界だったのです。
そして、船客やクルーと言葉を交わし、親しみを感じる独特な空間。
最新鋭の船で繰り広げられる船内ライフは、実はオーソドックスなスタイルの船旅だったのです。
それが今、貴重なことになりつつあります。船は船会社の利益至上主義の下、ひたすら大型化が進み、
恐ろしいほどの大量生産、大量消費、大量廃棄。
ル・ボレアルは、10700トン、264名。 とても人間にマッチしたサイズ。
正にちょうどいいサイズ。
そして、このサイズだからこそ、手の込んだ絶品フレンチや暖かみのあるサービスが実現することを忘れてはならない。



ル・ボレアル 詳細ウェブサイト  



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